点数:7/10
http://www.lit-movie.com/
一度劇場で見たのだが、妻が見ていないのと、僕も英語字幕付きでもう一度見たいと思ったのでレンタルしてきた。
amazon.com のレビューを見てみると、「リアルだ」というのと「退屈」という大きく2つの意見に分かれているようだ。僕は劇場で見たちょうどその頃、妻と子供は日本に帰っている最中でアメリカに一人きりだったため、妻と子供と離れ一人東京を訪れた主人公とをどことなく重ねていたのかもしれない。また登場する東京の各シーンに懐かしさを覚え、「リアルだ」と思ったものだ。それゆえ、心に残った映画だったが、家で DVD でもう一度見てみると、確かに「平凡・退屈」という意見にも少し賛成する。
この映画の一番面白いところは、日本語の台詞にはいっさい字幕(アメリカでの劇場での話だから英語字幕ということ)がつかないところだ。これは DVD でもちゃんと守られており、字幕を表示しても [Japanese...] としか表示されず、訳は表示されない。
日本語の台詞はもちろん日本人の僕には何を言っているのかわかるのだけれども、劇場で見ているほかのアメリカ人の観客にはわからないわけで、言葉がわからず混乱してしまう主人公と一緒の気持ちが味わえるという仕掛け。何を言っているかわからないけれどなんとなくおかしい、それで皆クスクス笑っている。劇場で一緒に見ている自分も、「ああこの部分がおかしいんだな」とそのおかしさを共有できる。
家で DVD を妻と見ていて、何か足りないと思った部分はこの点なのかもしれない。日本ではこれから公開されるようだが、日本人の観客に囲まれてこの映画を見ていたら、これほど強い印象は残らなかったのかもしれない。